特許出願ねっと!TOP > 特許申請ブログ - 特許申請から国際特許など > 出願書類の『特許請求の範囲』 記載形式
特許請求の範囲について
(特許出願ノウハウメルマガ第4号より)
" 特許請求の範囲 "は出願書類の最重要部分です。
特許請求の範囲は、いくつかの請求項に分けて記載しますが、
この請求項の質によって特許権の保護範囲が大きく
変わってきます。
特許請求の範囲を広げれば、
類似の技術も包含して強い権利となりますが、
審査で拒絶される可能性が高くなります。
逆に、審査通過を意識して、狭い範囲で
特許請求を行えば、特許権としての価値が
下がる場合もあります。
この範囲のバランス感覚が
" 特許請求の範囲 "では難所でもあり、
弁理士(明細書作成者)の腕の見せ所でもあります。
【請求項の記載形式】
請求項の記載の際、
実務ではいくつかの記載形式が
慣用されています。
1)書き流し(順次列挙)形式
例)
AにBを設け、前記BにCを装着したことを
特徴とする装置。
※ 過去には、この形式が主流とされてきましたが、
現在では、使用例は極めて少ない形式であります。
2)構成要件(構成要素)列挙形式(combination形式)
例) 本体と、
前記本体に固定されたA部材と、
前記A部材の表面に形成されたB部財と
を備えてなる装置。
※ アメリカでは基本的な記載形式の1つである。
日本でも、主流の記載形式の1つとなっており、
英訳する場合にも、意味が通りやすくスムーズ
であるので、国際出願を視野にいれた請求項作成の
際にも、便利である。
3)ジェプソン(Jepson)(two-part)形式
例) AとBとCを備えた***において、
Cを備えたことを特徴とする装置。
※ EP(欧州特許条約)では、この形式が基本と
なっています。しかしアメリカでは、
例外的に使用されます。
4)マーカッシュ(Markush)(択一)形式
例) A、B、およびCを含み、
前記CはC1、C2またはC3である化合物。
※ すべての選択肢が類似の性質または機能を有しない場合は、
明確要件(36条第6項2号)違反となります。
※ この形式は化学・バイオ関係で多用されますが、
電気・機械分野でも使用されることがあります。
5)means(step)-plus-function クレーム
例) Aと、Bと、Cとを備え、前記Cが前記Bの
出力を停止する手段を含んでいる事を
特徴とする装置
6)Product-by-Process クレーム
例) 原料Aに処理Bを加えて得られる事を
特徴とする物質C
※ 化学・バイオ関係では、しばしば利用されますが、
電気・機械関係はそれほど多く利用されません。