特許出願ねっと!TOP > 特許申請ブログ - 特許申請から国際特許など > 2010年6月
●新規性がなくても例外的に救済される場合がある
学会での発表、業界誌等の刊行物への発表や、博覧会への出展等により、
その発明の新規性が失われた場合には、一定の条件のもとに例外的に救済を
受けることができます。これを、発明の新規性喪失の例外といわれます。
特許法は、新規発明公開の代償として特許権を与えるために、新規性を
特許要件の一つとしています。
しかし、新規性のない発明のすべてについて特許を受けることができない
とすれば、発明保護の観点から具体的妥当性に欠けることもあります。
刊行物に発表した発明などは、早期に公開することによって技術の進歩や
研究の発展に貢献するので、保護に値します。このため、特許出願人を保護
するため、第三者に不測の不利益を与えない範囲で、発明の新規性喪失の例外
が認められています(特許法30条)。
●どの時点で新規性がないとされるのか〔時期的な基準〕
特許出願の時を基準として判断されます。発明の時を基準にするとその時の決定が困難で、発明を秘密化をまねくおそれがあり、公開時を基準にすると公開の立証等が必要になり不便だからです。日だけではなく、時分も問題になります。ある日の午前中に同じ発明が学会等で発表され、午後に出願しても新規性なしで拒絶されます。
●発明の新規性の喪失に例外がある
発明の新規性の要件については、発明保護の観点から、公衆に不測の不利益を与えない一定の範囲で、発明の新規性の喪失の例外が認められています(次項参照)。